コーヒーコラム コーヒーを「香る」 KONO式  コーノ

コーヒーコラム コーヒーを「香る」
 
 
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◆◇ 6.コーヒーを「香る」 ◇◆

 

 コーヒーの香り。あのなんとも香ばしく、やわらかで、人の気を魅く香り。多くの人がこの香りに魅了されてきました。

  「臭覚の参加なくしては、完全にものを味わうことはできない。」この言葉はグルメの本として名高い。『美味礼讃』を著したブリア・サヴァランのものです。

確かにわたしたちは、まずその香りをかぐことから、おいしそうかそうでないか、を判断しています。このことを裏付けるように、英語ではコーヒーの味をフレーバーといい、これはアロマ(香り)とテイスト(味)をあわせた状態を指しています。その香りで、そうしても口に運ばせたくなるように人々を虜にしてきたコーヒー。
その香りについてみてみる事にしましょう。

 
 

◆◇ 火の洗礼を受けて成熟するコーヒー・アロマ ◇◆

 

 コーヒーの生豆は青くさいだけで、わたしたちがコーヒーだと感じるような香りはありません。十二世紀頃から飲まれていたと言われるコーヒーも、その初期のころはただ生豆を鍋で煮出しただけのスープのようなものでした。生豆を煮ただけのコーヒーを実際に飲んでみると、お世辞にもとてもおしいとはいえない代物です。

  現在のコーヒーは、豆をロースとして飲んでいます。ロースト(焙煎)とは、生のコーヒー豆を煎ることで、コーヒーの味と香りを作り出す大切な作業です。グルメの名著として有名な『美味礼讃』(ブリア・サヴァラン)の中には、ローストについて次のような一節があります。「実際、こういう香味は、熱の介入がなかったら、永遠に知られずにしまったことと思われる」

  ローストの発見はそれほど画期的で、コーヒーをおいしくする出来事だったと言えます。

  おいしいコーヒーは、きまってすばらしい香りをさせています。アロマについていえば、なんと五〇〇種類以上もの香りの成分が、ローストによって引き出されています。コーヒー・アロマも、豆のキャラクターを活かす味の特徴も、ローストから生まれたと言っても過言ではありません。事実、コーヒーの風味の八割はローストで決まるといわれているほどです。コーヒーにとっては「火の洗礼」のロースト。それは、コーヒー生豆に新しい命を吹き込む、再生の儀式なのです。

 
 

◆◇ ローストの種類 ◇◆

 

 コーヒー豆はただ煎りさえすればよいのではありません。ローストの目的は、さまざまな豆の個性を引き出すことです。ローストはふつう、浅煎り、中煎り、深煎りの三つに分けられ、煎りの深さに応じて八段階があります。浅煎りの豆ほど色が薄くて酸味が強く、逆に深煎りの豆ほど黒っぽくて酸味の弱い、苦みの強い味になります。

●浅煎り
  浅煎りのコーヒー豆は、たいへん酸味の強いコーヒーになり、苦みが少ないのが  特徴。さっぱりした軽い口当たりで、アメリカンコーヒーに向いています。

●中煎り
  標準的なローストで、市販の豆の多くはこのタイプ。酸味、苦み、甘み、こくが調   和して、口当たりのよい味がします。
  コロンビアの豆だと、酸味よりも苦みが少し勝ってきます。コロンビア、ブラジルは   この程度のローストに向いています。

●深煎り
  油が豆全体にまわり、黒みをおびた状態です。苦味がさらに増し、同時に香ばし  さも出てきます。酸味はほとんど感じられません。
  本格的なフレンチコーヒーやエスプレッソに向いています。

 
 

◆◇ ローストの8段階 ◇◆

 

●ライト
  もっとも浅い煎り方で、たいへん酸味が強くなります。
●シナモン
  ポピュラーな浅煎り。コーヒー豆がシナモン色くらいで、強い酸味が残ります。
●ミディアム
  ふつう煎り。アメリカンコーヒー用のローストはこのくらい。香りがよく、酸味もまろ  やかになっています。
●ハイ
  ミディアムよりやや深煎り。酸味よりも苦みが強くなりはじめます。
●シティ
  深煎りに近くなってきて、少々濃い茶色になってきます。酸味が少なくなってきて、   苦みが酸味よりも少し強く出てきます。
  コロンビア、ブラジルなどはこの程度のローストに向いています。
●フルシティ
  シティよりさらに深煎りで、アイスコーヒー向きといわれています。酸味よりも苦み   のほうが勝っています。
●フレンチ
  苦味が主体の味になってきます。色も濃い茶色というよりも、少し黒みを帯びてき  ます。ヨーロッパでは主流のローストです。
●イタリアン
  かなり深く煎った状態で、豆の表面にはオイルが浮いてきます。色は黒っぽい茶  色、または濃いチョコレート色になります。もはや酸味は感じられません。焦げた  苦みが特徴で、エスプレッソなどに用いられています。

1 ライト・ロースト もっとも浅い煎り 黄色がかった褐色
2 シナモン・ロースト 浅煎り アメリカン・ロースト
3 ミディアム・ロースト ふつう煎りの浅め アメリカン・ロースト
4 ハイ・ロースト ふつう煎りのやや深め ジャーマン・ロースト
5 シティ・ロースト ふつう煎りの深め ジャーマン・ロースト
6 フルシティ・ロースト やや深煎り ヨーロピアンスタイル
7 フレンチ・ロースト 深煎り フランス式ロースト
8 イタリアン・ロースト もっとも深煎り イタリア式ロースト

 
 

◆◇ コーヒーの味を創作するブレンド ◇◆

 

 ある種類のストレートコーヒーの味に満足できるなら、ブレンド(配合)コーヒーは生まれなかったことでしょう。けれども、すべてのコーヒー豆がバランスのとれたものばかりではありません。持ち味がなかったり深みが足りないと感じたりするものが実は多いのです。そこで、いくつかの豆をブレンドして、バランスのとれた味を作り出すようになったのです。

  ブレンドの味は経験と勘によって、計算されて作られるもの。自由な発想で、イメージした味を作り出していきます。よいブレンドコーヒーは、ベースになっている豆は想像できても、ほかに何が混ざっているのかがわからないものです。逆を返せば、何が混ざっているのかわかってしまうのは上手なブレンドではないといえます。

 

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