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2007年05月28日
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●テースティング会 2007年5月

ほぼ 2ヶ月に1回のテースティング会に行ってきました。
(過去記事http://www.inoha.jp/blog/archives/speciltycoffee/cat15/も参考にしてください。 )
ティースティングの内容をお話しするより、アメリカのプロの現場が使っているカッピングフォームの話を中心に進めていきます。

コーヒーの味は、SCAAのカッピングフォームを用いて評価します。
このフォームの面白い所は、評価対象のスペシャルティ・コーヒーは「美味しくて当たり前」という所から入ります。ですから、 どこがどのように美味しいのかを採点していきます。

フォーム自体は、「cupping form」からダウンロードして使って下さい。←よかたら!^^

フォームの中の各10項目を10段階で評価していきます。ですから最高は100点と言う事になりますが、 90点以上のコーヒーはまずありません。
と言うか無いように評価していきます。数年に1度、95点前後のコーヒーが現れると思ってください。

嗜好品である飲み物が、点数で評価される! おかしいと思いませんか!
そう 感覚の物に点数を付けているからですね。

でも、大真面目に「コーヒー業界」は取り組みを始めています。

ただ、美味しいではなく、どこで採れた何と言う品種のもので、どのように精製されたのかなど
論理的に評価をしていく流れになりました。
このような努力を積み重ねることにより、「ワイン」のように確立した美味しさでコーヒーも評価される日が来ると思っています。

このカッピングフォームを事細かく説明しても面白くないので、おおザックリで評価する項目を。
1.フレグランス/アロマ(Fragrance/Aroma)
  フレグランスが粉の香りで、アロマがお湯を注いだ時の香り。

2.フレーバー(Flavor)
  口に入れたときの香り。

3.アフターテースト(Aftertaste)
  飲んだ時の後味。

4.アシディティ(Acidity)
  酸味。(美味しさは酸味で決まるとも言われています。)

5.ボディ(Body)
  舌で感じる粘性。

6.バランス(Balance)
  全体的な味のバランス。

7.ユニフォーミティ(Uniformity)
  均一性(1種類を2カップ以上でみるので、それらの味の均一性)

8.クリーンカップ(CleanCup)
  カップがきれいか。(ディフェクトと言われる欠点の味が無いか)

9.スウィートネス(Sweetness)
  甘味があるか。

10.オーバラル(Overall)
  自分の主観(好きか嫌いか)

ざっと10項目あります。客観的に評価はできないので、やはり主観が入ります。ですから、今までの経験が重要となります。

生意気なことを言えば、「美味しいコーヒー」を飲んできていないと、「スペシャルティ・コーヒー」 とは何かがわからないかもしれません。そういった意味では、 大手メーカーなどの品証の方の基準とは相反する考えとなるのがスペシャルティです。(安定性と価格を重視するので、 標準的な味をカッピングしてきている。)これは仕方ないことで、必要以上の品質(味)を求めても企業としては意味を成さないですから。
ところが最近では、そのような方々も「スペシャルティ」とは何かを学ぼうとする傾向(会社単位で)が出てきたようで、SCAJが主催する、専門的な「カッピングジャッジ」 のセミナーも盛んになっているようです。

さて、カッピングフォームの中で特徴的なのは、上記7.8.9.はよっぽどの事が無い限り各10点満点なので、 通常は評価を省略し3つ合わせて「30点+他の評価点」としてカッピングをしていきます。これは、「スペシャルティ」には、 ディフェクトが無い(少ない)と言う考えからで、自信の表れでしょうかね。

次回は、感じた味をどのような言葉で表現するのかのをお話します。