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2006年10月16日
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●古時計(No.2):キンツレ(Kienzle)-WestMinsterChime その1

この古時計は、1822年創業、180年のドイツの時計史に名を刻むキンツレ社(Kienzle) のウエストミンスターチャイム置時計です。

WestMinsterChime その1 

木箱の緩やかなカーブ、優美な花のレリーフなど大変高級感に溢れています。
この堂々とした佇まい、他にここまで優美なウエストミンスターは見たことがありません。伝統のドイツ・ クラフトマンシップに基づいた物作りは、徹底して製造過程に生かされクォリティの高さが伺えます。

WestMinsterChime その1 

斜め横から見たときの、緩やかなカーブはまさに「匠」の技! 現代風に言えば3Dな曲線です。 恐らく現代の技をもってしても大変難しい作りであると思います。(3次元曲面の木の板を、それぞれ寸分の狂いも無く張り合わせていく!  これを最新設備の板金で作っても、時間とお金が途方も無くかかるでしょう! いやもしかしたら簡単には出来ないかも!)

そして、この木箱そのものがチャイムの音を増幅させ、優雅な音色を奏でてくれます。まるで弦楽器のつくりのようなこの木箱は、 「ヴァイオリン」を彷彿させます。そして、チャイムを奏でる銅製のバーを叩くハンマーには、革が使われています。 この革のハンマーで奏でる音色はまさに絶品!この一言に尽きます。
この革のハンマー! これがアンティークの証! 古く見えても樹脂のハンマーということも有ります。
(革のハンマーと樹脂のハンマーの音の違いは、電子ピアノとグランドピアノの違いかなぁ。)

 このキンツレ社 19世紀後期から20世紀初頭まで、世界中の富豪たちに愛され、 当時の技術の粋を集めて作られた時計なのです。ドイツの時計マイスターたちが心と技術と時間をかけ世界に送り出した逸品たちです。

WestMinsterChime その1

この箱の裏には、「32」と言う刻印がありました。これは想像でしかありませんが、32番目に作られた木箱であり、 複雑な構造上 それほど多く作れるとも作られたとも思えないのです。
サイズは、横幅約73.5cm、奥行き約15.5cm、高さ約23.5cm。
置時計としてもかなり大きい方です。この大きい箱の空間に反射し、奏でられるウエストミンスターの調べは、筆舌に尽くし難いのです。

最後に、ここの画像はこの古時計を購入した時のもで、修復修理後のものではありません。
(写真で見るときれいに見えますが、塗装には無数のヒビが入りとても見れたものではありません。)
その修復修理内容は次回以降お話します。

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コメント

はじめまして、てるてる様。

是非、その時計のチャイム音を聴かせて下さい!
MP3かWMAファイルにして、どこかにUPしていただけると嬉しいのですが。

びす太さん はじめまして!
わかりました、お約束します。
ただ、パソコンでの録音の経験が無いので、少しお待ちください。
入力端子はありそうなので、期待していて下さいね。
昔懐かしい、学校のチャイムの音です、お楽しみに!

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