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2006年09月12日
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●アンティークとの出会い

アンティークに興味の無かった僕がある時計に出会ったことがキッカケで修理をする事が楽しみとなったのです。

八王子市にある、アジア系アンティークショップに入ったときにその時計に出会いました。 別にアンティークショップへ出かけて訳ではなく、家具の八王子村内に行った帰りに偶然目に入った店に立ち寄っただけでした。

大きな倉庫のようなそのショップは、ある外食チェーン店が経営するお店で、 元は自社で使用するアンティークな小道具を保管する為の倉庫だったそうです。大きな倉庫の一階には圧巻されるばかりの古いもの、 中国や東南アジア系の大きな扉や椅子・机などが所狭しと並んでいます。まるでコストコの様に大きな棚に縦横無尽に保管され、 はじめてみるアンティークな家具とその量で ただただ驚くだけでした。

そこの2階には割と小さいものが置かれているようで、その殆どがアジアンチックなものばかり。 ただその一角に古時計やヨーロッパ系の小物が置かれていました。導かれるようにそこに行くと、ひときわ目を奪われたのが、写真の時計でした。 金色に輝くスケルトンなその時計は、一緒に置いてある他の時計たちとは一線を画しているように見えたのです。(下の写真の左)

 img_534832_5413879_4

この画像はその時、手持ちの携帯で撮ったものですが、何せ携帯の25万画素なので小さく荒い画像です。ただ、 後日この画像をある時計職人の方に見せたら、
「出来れば手に入れた方が良いですね。」
とアドバイスを受けてしまい、購入する決心がついたのです。

この時計にはネジ回しが付いてなく、その時は動作の確認が出来なかったのですが、突出した状態の良さと何より美しい佇まいにより 「手に入れる事」が目的になっていました。

結果的には大した修理もせず、油をさしネジ回しで巻いたら何事も無かったように時を刻み始めました。
今でも我が家で元気に動いています。

この時計を説明すると、
ユンハンス(Junghans)と言うドイツの時計メーカーのものです。このメーカー現在も存在しています。日本のカシオ的なメーカーで、 良いものを安価に提供するメーカーで知っている人も少なくないのではないでしょうか。
ただ、非常に由緒正しいメーカーで、1861年創立、ドイツの老舗時計メーカーとして世界に名を馳せたのです。また、 1900年代初頭には世界最大の時計メーカーとなったのです。
戦前このメーカーの時計を手に入れる事が出来たのは、非常に裕福な家だったと言われています。

この時計 Westminster(ウエストミンスターチャイム)と言う種類で、
ネジを巻く所が3ヵ所あり、向かって右側が「キン・コーン・カン・コーン・キン・コーン・カーンコーン」(学校のチャイムと同じ) のチャイム用、向かって左側が「時報用」、そして真中が時計用になっています。このチャイム 非常に良い音がします。

この名「ウエストミンスターチャイム」は、ロンドンのウエストミンスター地区にある有名な時計塔から由来しています。 その時計塔とはかの有名な「ビッグベン!」
その時を告げる鐘の音色を、ロンドンの人達は「ウエストミンスター・チャイム」と呼ぶ事からこの名がついたのです。

観光客の中には(日本人も結構多い)、この音色は「ウエストミンスター寺院の鐘」だと思い込んでいる人が結構多いい。
この鐘のメロディだが、皆が通っていた学校のチャイムの音は、このビッグ・ベンのメロディをモデルにして作られたのですよ。^^


さて、この時計を手に入れたことがキッカケで、他の時計やアンティークに興味が湧き現在に至っています。
この時計自体の修理は殆どしなかったが、これ以降手に入れた時計は修理に次ぐ修理の連続で、 今まで手に入れたが修理をしていないものまであります。

そして本格的に修理をしたのはこれ以降3個目に手に入れた時計です。

それはユンハンスと並ぶドイツの老舗、キンツレ(Kienzle)の古時計です。塗装はボロボロ、ゼンマイは切れていたし、 台座は欠けていて到底復活する事は想像できないくらいボロボロでした・・。


が、その基本的フォルムは今までに見たこと無いくらい「美しく」「官能的」なのです。
それでは次回以降そのお話をしましょう。

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